DTC    P0230/78    フューエルポンプリレー系統

準備品一覧


回路説明



  1. エンジンをクランキングすると、イグニッションスイッチのST端子またはイグニッションコントロールコンピュータのSTSW端子からエンジンコントロールコンピュータのSTSW端子に信号が入力され、STAR端子よりニュートラルスイッチを介して、スタータリレーのコイルに電流が流れる。また、エンジンコントロールコンピュータのSTAR端子または、イグニションコントロールコンピュータからの信号(STA信号)はSTA端子へも入力される。STA信号とNE信号がエンジンコントロールコンピュータに入力されると、内部のTr1がONになり、E.F.I.サーキットオープニングリレーのコイルへ電流が流れ、それにより、リレーのスイッチが入り、フューエルポンプリレーを介してフューエルポンプが作動する。NE信号が出力されている間(エンジンが作動中)、エンジンコントロールコンピュータ内部のTr1をONにし続けるので(サーキットオープニングリレーON時)、フューエルポンプは作動し続ける。フューエルポンプの速度は、エンジンの状態(スターティング、軽い負荷、重い負荷)に応じて2ステップ(高速·低速)で制御されている。エンジンコントロールコンピュータ内部のTr2がONになると、フューエルポンプリレーのスイッチが切り替わり、フューエルポンプは高速で作動する。アイドリング中または軽負荷時にTr2がOFFになると、電流はフューエルポンプレジスタを介してフューエルポンプに流れ、フューエルポンプは低速で作動する。


    A095997J01



DTCNo.
SAE/TCCS
DTC検出条件
1.診断条件 2.異常状態 3.異常期間 4.その他
点検部位
P0230/78
  1. IG ON
  2. フューエルポンプリレー回路の断線または短絡
  3. 1秒以上
  4. 1トリップ
  1. ワイヤハーネスまたはコネクタ
  2. フューエルポンプリレーASSY
  3. エンジンコントロールコンピュータ


回路図


□ 参 考 □
この診断チャートは、エンジンが始動中(クランキング)を前提にしている。始動していない場合は、の故障診断表に進む。



A095238J01



点検手順


□ 参 考 □
SST(TaSCAN)を使用して、フリーズデータを読み取る。フリーズデータには、不具合発生時のエンジン稼動状態の一部を記録してあり、それらの情報がトラブルシュートを行う際に役立つ。


手順1エンジン コントロール コンピュータ単体点検(電圧点検)
SST
09082-00030  
09083-00150  


    A095239J01
  1. SST(トヨタエレクトリカルテスター)を使用して、エンジンコントロールコンピュータ端子間の電圧を測定する。(端子配列は参照)

    基準値

    条件
    測定端子(端子名)
    基準値
    STA ON
    F15(FPR)←→B7(E1)
    9-14V
    STA OFF
    F15(FPR)←→B7(E1)
    0-3V



OK
エンジン コントロール コンピュータ交換
NG


手順2フューエルポンプ リレーASSY単体点検
SST
09082-00030  
09083-00150  


  1. 抵抗点検



      A095468
    1. SST(トヨタエレクトリカルテスター)を使用して、端子間の抵抗を測定する。

      基準値

      点検端子
      基準値
      1端子←→2端子
      63-91Ω
      3端子←→4端子

  1. 導通点検

    1. SST(トヨタエレクトリカルテスター)を使用して、1端子←→2端子間にバッテリ電圧を加えたとき、3端子←→4端子間に導通がないことを確認する。

      基準
      導通なし



NG
フューエルポンプ リレーASSY交換
OK

フューエルポンプ制御系統点検