フロントパワーシート
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運転席および助手席に電動アジャスターによるスライド・リクライニング・フロントバーチカル・リフター・クッション長調整機構(フロントバーチカル・リフターは運転席のみ)を採用し,ポジション調整が容易に行えるものとしました。
パワースライド機構
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パワーシートスイッチのスライド調整操作を行うと,スライド用モーターが回転します。この回転がシートスライドハウジング内のウォームギヤを介してシートスライドスクリューに伝達されます。
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シートスライドスクリューは樹脂ナットとかみ合っていますが,樹脂ナットはナットホールドブラケットを介してシートトラックロワーレール側に固定されているため,伝達された回転により,シートスライドスクリュー側がシートトラックロワーレールに対して前後方向に移動します。これにより,シートスライドスクリューを取り付けているシートトラックアッパーレールがスライドします。なお,スライドは前後約240mm(4WD車の助手席は160mm)の調整が行えるものとしました。
パワーフロントバーチカル機構
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パワーシートスイッチのフロントバーチカル操作を行うと,フロントバーチカル用モーターが回転します。この回転がフロントバーチカルハウジング内のウォームギヤを介してバーチカルスクリューを前後に移動させます。
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バーチカルスクリューの先端にはリンクが取り付けられており,バーチカルスクリューの前後方向の動きによりリンクが回転し,シートクッション前端部を上下させます。また,リンクはフロントバーチカルロッドを介してインナー側のリンクにも動きを伝達しています。
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フロントバーチカルは上下5°の調整が行えるものとしました。
パワーリフター機構
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パワーシートスイッチのリフター調整操作を行うと,リフター用モーターが回転します。この回転がリフターハウジング内のウォームギヤを介してリフタースクリューを前後に移動させます。
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リフタースクリューの先端には連結リンクが取り付けられており,連結リンクがリフタースクリューの前後方向の動きをベルクランクに伝えています。
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ベルクランクは,リフタースクリューの動きをリフターロッドを介してアウター側に伝達するとともに,支点Rを中心に回転し,ロワーアーム後端を持ち上げます。また,これに連動してフロントリフターリンクが支点Sを中心に回転し,ロワーアーム前端を持ち上げ,シート全体がリフトアップします。
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リフターは上下約58mmの調整が行えるものとしました。
パワーリクライニング機構
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リクライニング機構は,シートバックフレーム側に設けられた外歯ギヤ・ロワーアームに設けられた内歯ギヤ・外歯ギヤと内歯ギヤとのかみ合いを規制するリクライニングヒンジピン・リクライニングヒンジピンを回転させるリクライニング用モーターおよびリクライニングギヤボックス・シートバックの動きをインナー側に伝達するリクライニングロッドにより構成されています。
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リクライニング調整角度はニュートラル位置からフロント方向に8°リヤ方向へ70°としました。
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パワースイッチのリクライニング調整操作を行うと,リクライニング用モーターが回転します。この回転がリクライニングギヤボックスを介してリクライニングヒンジピンに伝達されます。
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リクライニングヒンジピンには,ヒンジピン回転軸A点に対してオフセットされた中心B点を持つカム部を設定しており,ヒンジピンが回転するとカム部はループ状(図A)の軌跡を描いて回転します。
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シートクッション側に取り付けられたリクライニングヒンジピンカム部に外歯ギヤを設定し,シートバックフレーム側に取り付けられた内歯ギヤとかみ合わせています。内歯ギヤ歯数は,カム部の外歯ギヤ歯数に対して1歯多く設定されているため,外歯ギヤがループ状(図A)の軌跡を描きながら1回転するごとに,外歯ギヤと内歯ギヤのかみ合う位置が変わり,シートバックフレームが徐々に移動します。
電動式クッション長可変機構
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シートのアウター側シートクッションシールドに取り付けられたシートクッションスイッチを操作することにより,フロントシートクッションフレームに取り付けられているクッションモータを回し,クッション長可変ユニットを無段階に前後調整できます。
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クッションスイッチを前または後ろに操作すると,ピニオンギヤがドリブンギヤを介してクッション長可変ユニットを動かし,クッション長可変ユニットと連結しているシートクッションパイプを動かします。