ワイパーコントロールスイッチをAUTO位置に操作することにより，ウインドシールドガラス中央上部に取り付けられたレインセンサーが雨滴量を検出し，その雨滴量に応じてレインセンサーが最適なタイミングでワイパー駆動信号（LO・HI）をワイパーコントロールリレーに出力することにより，ワイパーコントロールリレーがワイパーリレーをONし，ワイパーモーターを駆動します。

レインセンサーは，現在の雨滴量（A）を検出するとともに，一定時間の雨滴量の平均値（B）を算出しています。レインセンサーは，雨滴を検出すると，レインセンサー感度調整ボリュームの設定値に応じて，雨滴量の平均値（B）の値が一定になるように最適なタイミングでワイパーLO作動信号（間欠作動）をワイパーコントロールリレーに出力することにより，無段階（0.1秒間隔）でワイパーを間欠作動させます。また，雨滴量の平均値（B）がLO範囲になった場合はLO作動信号（連続作動）を，HI範囲になった場合はHI連続作動信号を出力します。なお，現在の雨滴量（A）がスプラッシュ範囲になった場合は，雨滴量の平均値（B）の値に関わらず，ワイパーをHI連続作動させます。

ワイパーコントロールスイッチがAUTO位置にある場合に，ワイパーコントロールスイッチのオート感度調整ボリュームを操作することにより，レインセンサーの感度を調整し，ワイパー作動のタイミングを調整することができます。

オート感度調整ボリュームを最も感度が鈍い位置にした時，ワイパーはHI作動を行いません。

ミスト機能付きウォッシャー連動時間調整間欠ワイパー装着車に採用しました。

ワイパーコントロールスイッチをINT位置に操作し，間欠時間調整ボリュームを調整することにより，約1.6秒～10.7秒に1回の間欠作動を行います。

ワイパーコントロールスイッチがOFF位置またはAUTO位置の場合に，ウォッシャースイッチを約0.3秒間以上ONすると，ウォッシャー液が噴射するとほぼ同時にワイパーが連動してLO作動を開始し，約1.5秒以上ONした場合には，ウォッシャースイッチOFF後約2.2秒間のLO作動を継続した後停止します。

ワイパーコントロールスイッチがAUTO位置にある場合に，レインセンサーなどに異常が発生した場合でも，ワイパー制御を行うことのできるフェイルセーフ機能を備えています。

レインセンサー異常高温時（約90℃以上）・異常低温時（約－15℃以下）・レインセンサー信号異常時は，レインセンサー感度調整ボリュームの操作位置に応じて，下表（間欠休止時間一覧）のように間欠作動を行います。

ワイパーポジション信号異常時は，ワイパー駆動信号出力後，約6秒間ワイパーが作動しない場合（ワイパーモーターが停止位置のままの状態）または約20秒間ワイパー作動中の場合（ワイパーモーターが停止位置まで戻らない状態）は，ワイパーの作動を停止します。なお，ワイパーコントロールスイッチをAUTO→AUTO以外→AUTOに操作することにより，通常の制御に復帰します。

雨が降っていない状態で，IG　ONおよびワイパーコントロールスイッチ　AUTOの場合において，ウインドシールドガラスのレインセンサー部（検知エリア内）に手で触れたり，濡れ雑巾などの水分を含むものを近づけると，レインセンサーが反応してワイパーが作動し，けがやワイパー本体・物の破損につながるおそれがあります。また，同様にレインセンサー部やその近傍の物（ウインドシールドガラス・レインセンサーカバーなど）の振動を与えると，レインセンサーが反応してワイパーが作動するおそれがあります。

IG　ONおよびワイパーコントロールスイッチ　AUTOの場合において，レインセンサーが高温（約90℃以上）または低温（約－15℃以下）になると，レインセンサーが正確に雨滴を検知できないため，ワイパーはセンサー感度調整ボリュームの操作に応じた間欠作動を行います。なお，レインセンサーの温度が正常範囲に復帰すると雨滴検知式セミオートワイパーによる制御に復帰します。

レインセンサーはワイパーコントロールリレーに接続されており，ワイパーコントロールリレー内のロジック回路がワイパーコントロールスイッチ　AUTOを検出すると，ロジック回路はレインセンサーにワイパーコントロールスイッチ　AUTO位置信号を出力し 、 レインセンサーは雨滴検知作動を行います。レインセンサーは雨滴を検出すると,雨滴量に合わせてロジック回路にワイパー LO作動信号（間欠作動）・LO作動信号（連続作動）・HI連続作動信号を出力します。ロジック回路は，これらの信号を入力することにより，Tr1またはTr2をONし，メインリレーおよびLO/HI切り替えリレーを切り替えることによりワイパーモーターを作動させます。なお，ロジック回路は感度調整ボリュームの操作位置による抵抗変化を入力しており，ワイパーコントロールスイッチ　AUTO位置信号とともにレインセンサーに出力しています。

ワイパーコントロールスイッチをINT位置に操作すると，充電完了状態であるコンデンサーC1からの電流が，ワイパーコントロールスイッチINT1端子→ワイパーコントロールスイッチINT2端子→Tr1へと流れTr1がONします。

Tr1がONすると，電流はワイパーコントロールスイッチ＋S端子→ワイパーコントロールスイッチ＋1端子→ワイパーモーター→アースへと流れ，モーターが回転します。

モーターが回転すると同時に，コンデンサーC1はワイパーコントロールスイッチINT1端子→ワイパーコントロールスイッチINT2端子を経て放電し，放電を完了するとTr1がOFFするため，リレー接点がOFFしてワイパーモーターが停止します。

リレー接点がOFFすると，再びコンデンサーC1が充電を開始し，充電完了まではTr1をOFFし続けます。これが間欠停止時間となります。なお，ボリューム（可変抵抗）を調整すると，＋IGからコンデンサーC1へ流れる電流の量が変化し，コンデンサーC1の充電時間が最短約1.6秒～最長約10.7秒の変化します。これにより，間欠作動時のリレー接点OFF時間（間欠作動時間）が変化します。

コンデンサーC1の充電が完了するとTr1がONし，リレー接点がONすることにより，再びワイパーモーターが回転します。

上記の放電と充電の繰り返しが間欠作動です。

レインセンサー非装着車の場合は，回路図はフロントワイパー時間調整間欠作動を参照してください。

レインセンサー装着車の場合，回路図は雨滴検知式セミオートワイパー作動を参照してください。

ウインドシールドガラスの検知エリア内に雨滴が付着したことを検知すると，雨滴量に合わせたワイパー作動信号をワイパーコントロールリレーに出力します。なお，取り付けの位置はウインドシールドガラス中央上部としました。

レバーとバッキングプレートとの間にラバーが入る構造として金属同士の接触をなくすとともに，ブレードラバー表面にグラファイトコーティングを施し，ブレード反転時の衝撃音の低減およびブレードラバーの長寿命化をはかりました。

寒冷地仕様車に，フルコンシールド/セミコンシールド切り替え機構およびロックバック機構付きのワイパーアームを採用しました。

全車，フロントウォッシャーノズルの噴射口に拡散式を採用し，ウォッシャー使用時における洗浄性に優れたものとしました。また，取り付け位置をフードパネル下とすることにより，見栄えに配慮しました。また，リヤウォッシャーノズルに2穴タイプを採用しました。

拡散式ウォッシャーノズルは，ウォッシャー液が通過する際に水流により流れを振動させ，ウォッシャー液を扇状に噴出させることでフロントワイパー払拭範囲の広範囲に噴射するものとしました。また，噴霧範囲の中央部の流量を少なくすることにより，走行中のウォッシャー使用時における運転者の視界を妨害しないよう配慮しました。

全車に4.7Lのウォッシャータンクを標準設定しました。なお，リヤワイパー装着車は，フロント・リヤのウォッシャータンクを兼用するものとしました。