レーダークルーズコントロールシステム(車間制御モ-ド)取り扱い上の注意事項

先行車との車間距離が確保しやすい高速道路や自動車専用道路で使用してください。
車間距離制御には限界がありますので,レーダークルーズコントロールシステム制御(車間制御モード)を過信しないでください。
運転するときは常に先行車との車間距離や周囲の状況に注意し,状況によってはブレーキペダルを踏んで減速したり,アクセルペダルを踏んで加速するなどして,先行車や後続車との車間距離を確保し,安全運転を心がけてください。
車両を停止させるまで自動的にブレーキ操作を行うシステムではありません。
自動的にブレーキ操作を行いますが,減速制御には限界があり,先行車の減速度合いが大きい場合や,自車の前へ他車が割り込んだ場合などは,十分に減速できず,先行車に接近することがあります。この場合はレーダークルーズディスプレイの表示と接近警報ブザーの吹鳴により警告します。
わき見運転やぼんやり運転など,前方不注意を補助するものではありません。
下記のような状況のときはレーダークルーズコントロールシステムを使用しないでください。使用すると思わぬ事故につながるおそれがあります。また,システムが悪天候と判断したとき,レーダークルーズコントロールシステム制御が自動的に解除される場合があります。
悪天候時(雨・霧・雪・砂嵐のときなど)
先行車との車間距離が正確に測定できない場合があります。なお,ワイパーをLOまたはHIで作動させると,レーダークルーズコントロールシステムは自動的に解除され,セット待機状態になります。(間欠作動では解除されません)

前方から強い光(太陽光など)を受けたとき
先行車との車間距離が正確に測定できない場合があります。

レーダーセンサーに雨滴・雪などが多量に付着しているとき
先行車との車間距離が正確に測定できない場合があります。

交通量の多い道や急カーブのある道
道路状況にあった速度で走行できないため,思わぬ事故につながる恐れがあります。

凍結路や積雪路などの滑りやすい路面
タイヤが空転し,車のコントロールを失う恐れがあります。

急な下り坂
先行車がいないときは,エンジンブレーキが十分に効かないためセットした速度を超えてしまい,思わぬ事故につながる恐れがあります。(このような場合はブレーキ制御は行われません。)また,先行車がいて追従制御が行われているときでも,減速するタイミングが遅れ思わぬ事故につながる恐れがあります。

頻繁に加速・減速を繰り返すような交通状況のとき
交通状況にあった速度で走行できないため,思わぬ事故につながる恐れがあります。

高速道路などでインターチェンジ・パーキングエリア・サービスエリアなどへ進入する(本線からはずれる)とき
本線上でレーダークルーズコントロールシステムによりセット車速よりも遅い車に追従走行していたときは,自車が本線からでることにより先行車がいなくなり,セット車速まで加速するため,思わぬ事故につながる恐れがあります。

急な上り坂・下り坂が繰り返される道路
先行車を検知できず,先行車に接近しすぎて思わぬ事故につながる恐れがあります。

このシステムは,先行車のリフレクターの反射器を主に検知して制御を行っていますので,下記の場合は先行車を正確に検知できず,車間距離が適切に保てなくなる場合があります。
先行車がトレーラーなどの地上高(リフレクターの高さ)の高い車のとき。
先行車の後部の汚れが著しいとき。
先行車や他車線の車両が,路上の水や雪などをまき上げて走行しているとき。
先行車や他車線の車両からの排煙(黒煙)がひどいときや,道路付近に煙が発生して前方が十分に見渡せないとき。
先行車がリフレクター部にフィルムを貼った車や,リフレクターがついていなかったりリフレクターが破損している車のとき。
トランクルームや後席に極端に重い荷物を積んで,自車が大きく傾いているとき。

レーザーレーダーセンサーはセンサーの窓部の汚れを自動で判断し,運転者に知らせる機能を備えていますが,万能ではありません。状況によってはセンサーの窓部が汚れていても検知できない場合があります。また,透明や半透明(有色も含む)のビニール袋が密着した場合や,氷・つらら・氷雪などが付着した場合も検知できない場合があります。
このような状況では,車間距離が適切に保てなくなる恐れがありますので,常に前方に注意してください。また,汚れを検知した場合,レーダークルーズコントロールシステムは自動的に解除されます。なお,センサー前面は,常にきれいにしておいてください。

道路形状(コーナー・左右コーナーの連続している道路・コーナーの出入り口・工事中や車線規制などで車線幅が狭い道路など)や,自車の状況(ハンドル操作や車線内の位置・事故や故障などで走行が不安定な状況など)によっては,一時的に隣の車線の車両や周辺のものを検知して,制御・接近警報が作動したり,一時的に先行車が検出できず,先行車に接近する場合があります。
停車中の車両や自車よりも極端に遅い車両に対しては,レーダークルーズコントロールシステムの制御も接近警報も行いません。料金所や渋滞の最後尾で停車中や極端に車速の遅い車両などには十分に注意してください。
近距離ではレーダーセンサーの検知範囲が狭いため,間近で割り込んでくる先行車の検知が遅れたり,自車線の端を走行する二輪車を検知できず,車間距離が適切に保てない場合があります。
レーダークルーズコントロールシステムを使用しないときは,メインスイッチをOFFにしておいてください。誤ってレーダークルーズコントロールシステムを作動させてしまい,思わぬ事故につながる恐れがあります。
追従走行しているときは,先行車に合わせた車速に制御されるため,RESUME/+スイッチの操作でセット車速を上げても加速しません。ただし,このときにセット車速は上がっているため,先行車がいなくなった後,加速を続けることにもなります。セット車速はレーダークルーズディスプレイ内のセット車速表示で確認してください。
交通状況に応じた車間距離を選択してください。
車速約80km/hで走行している場合の設定車間距離の目安は「長」・・約50m,「中」・・約40m,「短」・・約30mです。なお,車速が低くなるほど,前記の車間距離よりも短くなります。

長い下り坂などでは,セットした車間距離よりも制御車間距離が短くなることがあります。
接近警報ブザーが頻繁に吹鳴するような状況では,レーダークルーズコントロールシステムを使用しないでください。
車間距離が短い場合でも,下記のような場合は接近警報ブザーが吹鳴しない場合があります。
先行車との相対速度が小さいとき(ほぼ同じ速度で走行しているとき)
先行車の方が自車よりも早いとき(車間距離が次第に離れていくとき)
アクセルペダルを踏んでいるとき,およびアクセルペダルを離した直後
セット操作をした直後

通常,レーダークルーズコントロールシステム制御(車間制御モード)による追従走行中は,先行車の車速に合わせて自動的に加速・減速を行いますが,車線変更などで加速が必要なとき,または先行車が急減速,他車が割り込むなどして先行車に接近しそうになったときなどは,アクセルペダルまたはブレーキペダルを踏んで,加速・減速を行ってください。
レーダークルーズコントロールシステムで走行中に,「ポーン」という音とともにコンビネーションメーター内のCRUISE作動/ウォーニングインジケーターランプが点滅・レーダークルーズウォーニングインジケーターランプの点灯・レーダークルーズディスプレイにウォーニング項目の表示が行われたときは,一度メインスイッチをOFFした後,再度セットしてください。
上記の操作を行っても,セットできないまたはセットしてもすぐ解除される場合はシステムの異常が考えられます。通常走行上支障ありませんが,トヨタ販売店にて点検を受けてください。

レーダークルーズコントロールシステムの正しい作動のため,下記のことを守ってください。
レーザーレーダーセンサーの窓部は常にきれいにしておいてください。
清掃時には柔らかい布などを使用して,窓に傷を付けないようにしてください。

レーザーレーダーセンサーや,その周辺部に強い衝撃を加えないでください。分解などもしないでください。故障・誤作動の原因になります。
光軸調整には特殊な装置が必要ですので,光軸調整は必ずトヨタ販売店で行ってください。

レーザーレーダーセンサーにステッカーやアクセサリー用品などを取り付けないでください。
特にレーザーレーダーセンサー窓部はステッカーが透明であっても貼り付けないでください。システム誤作動の原因になります。

レーザーレーダーセンサー前面に,高圧洗車機などで強い水圧を与えないでください。
水分がセンサー内に侵入し,レーザーレーダーセンサー故障の原因になります。

車間制御モードと定速制御モードとは制御方法が異なります。レーダークルーズコントロールシステムを使用するときは,どちらのモードが選択されているかを必ず確認してください。