シーケンシャルシフトマチック
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シーケンシャルシフトマチックは,シフトレバーをSポジションにセレクトすることで,自動変速モードからシーケンシャルシフトモードになり,シフトレバーのシフトレンジ操作により選択したシフトレンジでの走行が可能となるとともに,すべてのシフトレンジに応じたエンジンブレーキ力を得ることができる機構です。
シーケンシャルシフトモードへの切替
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シフトレバーをSポジションへ移動させることでシーケンシャルシフトマチックの操作が可能になります。また,この操作と同時に4レンジに入ります。(AI-SHIFT制御中は制御されている最高レンジが表示されます。)
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シフト操作によりシフトレバーASSY内の+/-スイッチのシフトアップスイッチおよびシフトダウンスイッチのいずれかをONさせることにより,変速信号をトランスミッションコントロールコンピューター(エンジンコントロールコンピューターに内蔵)に送信し,5~1レンジの各レンジを切り替えます。
シーケンシャルシフトマチックのインジケーター表示
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コンビネーションメーター内にシーケンシャルシフトマチックインジケーターおよびシフトレンジインジケーターを配置しました。
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シーケンシャルシフトマチックインジケーターは,シフトレバーのSポジションセレクト時に点灯します。
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シーケンシャルシフトマチックインジケーターは,Sポジション時,そのとき選択されているシフトレンジを表示します。P,R,N,Dレンジの時は表示しません。
シーケンシャルシフトモードの使用可能なギヤ段
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下表のように,選択されたシフトレンジによりスピードや走行条件に応じて自動で変速します。
シフトレンジ動作
シフトレバー位置
シフトレンジ操作
(+/-)
シフトレンジ
インジケーター表示
A/Tの使用可能ギヤ段
シーケンシャル
シフトマチック
インジケーター
D
非作動
消 灯
5,4,3,2,1(自動変速)
消 灯
S
操作可能
5
5,4,3,2,1(自動変速)
点 灯
4
4,3,2,1(自動変速)
3
3,2,1(自動変速)
2
2,1(自動変速)
1
1
関連部品
ECTパターンセレクトスイッチ
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ECTパターンセレクトスイッチをシフトレバー左に配置しました。スイッチのON・OFFにより,POWERモードおよびSNOWモードを選択することができます。
油温センサー
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変速時の油圧制御用油圧センサーをバルブボデー内に取付けました。
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油温センサーは,昇温の安定したオイルポンプ吐出部にて油路内の油温を直接測定しており,より正確な油温の検出を可能にしました。
入出力軸回転数センサー
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トランスミッションのインプット回転数を検出するため,クラッチケース部に入力軸回転数センサー用ローターを設定しました。トランスミッションケースの右側に設けられたセンサーにより,入力軸の回転数(NT)をエンジンコントロールコンピューターに出力します。
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トランスミッションに出力軸回転数センサー用ローターを設定しました。トランスミッションケースの左側に設けられた出力軸回転数センサーにより,出力軸回転数(SP2)をエンジンコントロールコンピューターに出力します。
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各センサーには,検出精度の高い電磁ピックアップセンサーを採用しました。ローターが回転することにより,検出用の突起とセンサーのエアギャップが変化するため,センサーのコイル部を通過する磁束が増減してコイル部に起電力が発生します。この発生電圧は突起とセンサーが近づく時と離れる時では逆向きとなるため,交流電力として現れます。
ストップランプスイッチ
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ブレーキ信号を検出します。
ニュートラルスタートスイッチ
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シフトレバーのポジションを検出します。
トランスミッションソレノイドバルブ
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変速段切り替え用として,トランスミッションソレノイドバルブS1,S2を,またC1クラッチ切り替え用トランスミッションソレノイドバルブSRを設定しました。
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各トランスミッションソレノイドバルブに従来よりも小型・軽量の3方向ソレノイドバルブを採用しました。また,低油温時にも対応した優れた応答性を実現しています。
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先端部にストレーナーを装着することによって優れた信頼性を実現しています。
機能
トランスミッションソレノイドバルブ
タイプ
機 能
トランスミッションソレノイドバルブS1
3方向式
・2-3シフトバルブの切り替え
トランスミッションソレノイドバルブS2
3方向式
・1-2シフトバルブ,3-4シフトバルブの切り替え
トランスミッションソレノイドバルブSR
3方向式
・リバースコントロールバルブの切り替え
・クラッチアプライコントロールバルブの切り替え
・コーストブレーキバルブの切り替え
リニアソレノイドバルブ
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クラッチ係合油圧制御用,ロックアップクラッチ制御用,ライン油圧制御用およびブレーキ係合油圧制御用としてそれぞれリニアソレノイドバルブを設定しました。
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SLT,SLU,SL1,SL2共に吸引力を落とすことなく電磁部を小型化し,軽量化,低コスト化をはかりました。
機 能
リニアソレノイドバルブ
機 能
クラッチ係合油圧制御用, ソレノイドバルブ№1(SL1)
・アキュームレーター背圧コントロール ・クラッチ圧コントロール
ロックアップクラッチ制御用, ソレノイドバルブ(SLU)
・ロックアップ圧コントロール ・フレックスロックアップ圧コントロール
ライン油圧制御用, ソレノイドバルブ(SLT)
・ライン圧コントロール ・アキュームレーター背圧コントロール
ブレーキ係合油圧制御用, ソレノイドバルブ№2(SL2)
・ブレーキ圧コントロール
油圧制御装置
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軽量なアルミ合金製のバルブボデーを採用して上下4分割構成とし,ロワー側のバルブボデーにトランスミッションソレノイドおよびリニアソレノイドを取り付けました。
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トランスミッションソレノイドバルブS1,S2,SR先端にストレーナーを設定して,万一の異物混入に配慮しました。