駆動時の摩擦が低く，高効率なベーンタイプのVVT-iコントローラーを採用しました。

インテーク側は3枚ベーンタイプ，エキゾースト側は4枚ベーンタイプとしました。エンジン停止時にはインテーク側ベーンは最遅角位置，エキゾースト側ベーンは最進角位置でロックピンにより固定されます。

エキゾースト側VVT-iには進角アシストスプリングを設定し，エンジン停止時にロックピンが確実にかん合するよう，進角方向へトルクを助勢します。

各センサーの信号を基に,エンジンコントロールコンピューターはシリンダーヘッドカバーに取り付けられたOCV（オイルコントロールバルブ）を介して，VVT-iコントローラー内部の進角室および遅角室にかかる油圧を制御し，インテークおよびエキゾーストカムシャフトの位相を連続して変化させます 。

エンジンコントロールコンピューターからのデューティー信号により,常に最適なバルブタイミングになるようにスプール弁の位置を制御します。なお,エンジン停止時のスプール弁は，スプリング力によりインテーク側は最遅角状態に，またエキゾースト側は最進角状態となり，次の始動時に備えます。

インテークおよびエキゾーストカムシャフトを運転状態に応じて最適なバルブタイミングに制御するDual VVT-i（Dual　Variable Valve Timing-intelligent:吸・排気連続可変バルブタイミング機構）を採用しました。

カムシャフトは合金鋳鉄製としました。カム部には高周波焼入れを施すとともに表面仕上げ精度の向上により，耐摩耗性の向上および低フリクション化をはかりました。

動弁系駆動機構としてローラーロッカーアームを採用し，カムと摺動部のフリクションを大幅に低減させることにより低燃費化をはかるとともに，油圧式ラッシュアジャスターを採用することでバルブクリアランスの調整を不要にし，サービス性に配慮しました。

ローラーロッカーアームの採用に伴い，カムプロフィールを凹R付き形状としました。これにより，バルブの開きはじめと閉じ終わり付近のバルブリフト量を増加させ，更なる出力向上をはかりました。