アイドル回転数制御(ISC)
●
エンジン冷却水温に応じたファーストアイドル回転数,エンジン暖機後のアイドル回転数を制御します。燃料噴射量およびスロットル開度によりアイドル回転数を制御します。
アイドル回転数制御
始動時制御
エンジン始動時,スロットルバルブを開けることにより空気量を多くし,エンジンの始動性向上をはかります。
予測制御
下記信号を検出したとき,スロットルバルブ開度を制御することにより,回転変動を抑えます。
・アイドリング回転数の変化が予測されるとき。
・電気負荷が変化したとき。
・エアコンスイッチを切り替えたとき。
・シフトレンジを切り替えたとき。(N→D,D→N)
減速時制御
減速時スロットルバルブを開いて空気流量を増やすことにより,インテークマニホールド内負圧を下げ,燃焼室に吸引されるオイルの消費量低減と,急激なエンジン回転数の落ち込みによるエンスト防止および,ドライバリビティの向上をはかります。
始動時制御
ある一定時間エンジン回転数を計測して,目標回転数との差がある場合にスロットルバルブ開度を制御することにより,アイドル回転数を目標値制御します。
目標回転数
3GR-FSE
4GR-FSE
無負荷回転数 [r/min]
650
700
電気負荷時 [r/min]
650
700
エアコンON時 [r/min]
低負荷時
650
700
高負荷時
800
←
関連システム
フェイルセーフ作動
・
スロットルポジションセンサーは,メイン回路とサブ回路の2系統で開度を検出します。信号に異常が発生した場合,エンジンコントロールコンピューターは退避走行に切り替えます。
異常検出時
どちらか一方の回路または両側の回路に異常が発生した場合は,エンジンコントロールコンピューターはメイン回路とサブ回路の電圧差により不具合を検出します。 この時は,スロットルモーターへの通電をカットし,スロットルバルブをリターンスプリングにより所定の開度まで戻します。エンジン出力の制御は燃料噴射制御と点火時期制御を用いて行うことにより,退避走行を可能としました。 また,エンジンコントロールコンピューターがスロットルモーターなど他の異常を検出した場合でも,上記制御を行うことで,退避走行を可能としています。
フェイルセーフ作動
・
アクセルポジションセンサーは,メイン回路とサブ回路の2系統で開度を検出します。信号に異常が発生した場合,エンジンコントロールコンピューターは退避走行に切り替えます。
1系統異常時
どちらか一方の回路に異常が発生した場合は,エンジンコントロールコンピューターはメイン回路とサブ回路の電圧差により不具合を検出します。この時は,2つの回路のセンサー値から制限を設けたアクセル開度を算出し,スロットル制御を続行し,退避走行を可能とします。
2系統異常時
エンジンコントロールコンピューターはメイン回路とサブ回路の電圧により不具合を検出し,アイドリング範囲内でのみスロットルバルブ開度の制御を行います。
関連部品
ホットワイヤー式エアフローメーター
●
小型・軽量な樹脂製ホットワイヤー式プラグインタイプエアフローメーターを採用しました。
●
ホットワイヤー式プラグインタイプエアフローメーターは,吸入空気の一部を検出部に流し,直接質量流量を計測することにより,検出精度の向上および吸気抵抗の低減をはかりました。
●
エアクリーナーからの吸気脈動の影響を受けにくいバイパス流計測としました。また,流体抵抗の少ない流路構造による低損失の実現をはかり,少量から多量の空気量を確実に計測できます。
ホットワイヤー式エアフローメーター作動
・
吸入空気の一部をバイパスさせ,熱線計量部で吸入空気量を測定します。 熱線計量部はプラチナフィラメント(白金熱線)を使用しており,吸気温度計測用の抵抗と加熱抵抗(ヒーター)の熱線でブリッジ回路を構成して,エンジンの吸入空気量を計測します。 なお,ホットワイヤー式エアフローメーターの特性上,原理的に直接質量流量を計測できるため,吸気温度の変化に対する密度補正の必要はありませんが,EFIなどのエンジン制御では吸気温度の情報が必要となります。そのため,エアフローメーター内にコンパクトなサーミスタータイプの吸気温センサーを内蔵し,吸気温度を検出しています。
・
ブリッジ回路とは、下図のように結線され,R1×R4=R2×R3が成立するとき,V1=V2となり電流計Gの示す値は0となる回路です。
・
吸入空気量が変化した時には,熱線計量部のブリッジ回路により,吸気温度計測用の抵抗と加熱抵抗(ヒーター)との温度差を常に一定に保つように加熱抵抗への供給電力をフィードバック制御します。その供給電力を電圧に変換しエンジンコントロールコンピューターに出力します。 エンジンコントロールコンピューターは,あらかじめ与えられたエアフローメーター出力電圧と流量の関係から,エンジン吸入空気量を算出します。
・
ホットワイヤー式エアフローメーターのブリッジ回路は下図の構成となっています。 例えば吸入吸気量が増えた場合,加熱抵抗が冷やされRHの値が小さくなりRH(R1)×R4<RK(R2)×R3,VM≠VKとなります。 制御部はこの状態を検出すると,電源からVBに流れる電流を増加(RHを加熱)してRH(R1)×R4=RK(R2)×R3,VM=VKとなるように制御します。
クランクポジションセンサー(Ne信号)
●
クランクシャフトと一体のタイミングローターには,上死点検出用に2歯欠歯した34歯の突起が10°間隔で設けられており,クランク位置およびクランク角速度の検出を行います。
●
検出精度の高い電磁ピックアップ式センサーを採用しました。クランクシャフトが回転することにより,タイミングローター突起部とクランクポジションセンサーのエアギャップが変化するためクランクポジションセンサーのコイル部を通過する磁束が増減し,コイル部に起電力が発生します。この発生電圧は,タイミングローター突起部がクランクポジションセンサーに近づく時と離れる時とでは逆向きになるため,交流電圧として現れます。
水温センサー
●
エンジン冷却水温を検出し,エンジンコントロールコンピューターに信号を送ります。
スロットルポジションセンサー
●
スロットルボデー開度に対して直線的に出力電圧が得られるホール効果
* 1
を用いて,磁界の強さを電気信号として取り出すことの出来るホール素子
* 2
を使用した,非接点式スロットルポジションセンサーを採用しました。
●
スロットルバルブ開度が変化すると,ホール素子内の印加電流の流れ(VC→E2)に対する磁界の角度が変化するため,印加電流と垂直方向の磁界の強さが変化します。これによるVTA1・VTA2端子電圧の変化を,エンジンコントロールコンピューターへスロットルバルブ開度信号として送ります。また,出力特性の異なる2重系(メイン・サブ)センサーを採用することで,信頼性の確保をはかっています。
参 考
*1
棒または板状の導体や半導体中に電流を流し,これに垂直方向の磁界をかけると,電流と磁界に垂直な方向に電位差が生じる現象。
*2
磁界の中での電位差による起電力を利用した電子部品。
フェイルセーフ作動
・
スロットルポジションセンサーは,メイン回路とサブ回路の2系統で開度を検出します。信号に異常が発生した場合,エンジンコントロールコンピューターは退避走行に切り替えます。
異常検出時
どちらか一方の回路または両側の回路に異常が発生した場合は,エンジンコントロールコンピューターはメイン回路とサブ回路の電圧差により不具合を検出します。 この時は,スロットルモーターへの通電をカットし,スロットルバルブをリターンスプリングにより所定の開度まで戻します。エンジン出力の制御は燃料噴射制御と点火時期制御を用いて行うことにより,退避走行を可能としました。 また,エンジンコントロールコンピューターがスロットルモーターなど他の異常を検出した場合でも,上記制御を行うことで,退避走行を可能としています。
アクセルポジションセンサー
●
アクセルペダル踏み込み量に対して直線的に出力電圧が得られるホール効果
* 1
を用いて,磁界の強さを電気信号として取り出すことの出来るホール素子
* 2
を使用した,非接点式アクセルポジションセンサーを採用しました。
●
アクセルペダル踏み込み量が変化すると,ホール素子内の印加電流の流れ(VCP1→EP1,VCP2→EP2)に対する磁界の角度が変化するため,印加電流と垂直方向の磁界の強さが変化します。これによるVPA1・VPA2端子電圧の変化を,エンジンコントロールコンピューターへアクセルペダル踏み込み量信号として送ります。また,出力特性の異なる2重系(メイン・サブ)センサーを採用することで,信頼性の確保をはかっています。
参 考
*1
棒または板状の導体や半導体中に電流を流し,これに垂直方向の磁界をかけると,電流と磁界に垂直な方向に電位差が生じる現象。
*2
磁界の中での電位差による起電力を利用した電子部品。
フェイルセーフ作動
・
アクセルポジションセンサーは,メイン回路とサブ回路の2系統で開度を検出します。信号に異常が発生した場合,エンジンコントロールコンピューターは退避走行に切り替えます。
1系統異常時
どちらか一方の回路に異常が発生した場合は,エンジンコントロールコンピューターはメイン回路とサブ回路の電圧差により不具合を検出します。この時は,2つの回路のセンサー値から制限を設けたアクセル開度を算出し,スロットル制御を続行し,退避走行を可能とします。
2系統異常時
エンジンコントロールコンピューターはメイン回路とサブ回路の電圧により不具合を検出し,アイドリング範囲内でのみスロットルバルブ開度の制御を行います。