構造と作動

ワイパー & ウォッシャーシステム

フロントワイパー機能

  1. 機能
    1. 車速感応時間調整間欠機能
      1. ワイパーコントロールスイッチをINT位置に操作し,間欠時間調整ボリュームを調整することにより,図のように,車速が30km/h未満の時は約4秒〜13.7秒に1回,車速が30km/h以上の時は約1.3秒〜11.9秒に1回に,間欠休止時間を切り替えて間欠作動を行います。
    2. ウォッシャー連動機能
      1. ウォッシャースイッチを約0.3秒以上ONすると,ウォッシャー液が噴出するとほぼ同時にワイパーがLO作動を行い,約1.5秒以上ONした場合には,ウォッシャースイッチ OFF後,約2.2秒間のLO作動を継続し,その後停止します。

  2. 作動
    1. 車速感応時間調整間欠作動
      1. ワイパーコントロールスイッチをINT位置に操作すると,コンデンサーC1はすでに充電完了状態にあるため,電流はワイパーコントロールスイッチINT1端子→ワイパーコントロールスイッチINT2端子→Tr1へと流れます。これによりTr1がONするため,電流はワイパーコントロールスイッチ+S端子→ワイパーコントロールスイッチ+1端子+ワイパーモーター+1端子→ワイパーモーター→アースへと流れワイパーモーターがLO回転します。また,同時にコンデンサーC1はワイパーコントロールスイッチINT1端子→ワイパーコントロールスイッチINT2端子を経て放電し,放電を完了するとTr1がOFFするため,リレー接点がOFFしてワイパーモーターが停止します。次にリレー接点がOFFすると再びコンデンサーC1が充電を開始し,充電完了までTr1はOFFを続け,これが間欠停止時間となります。コンデンサーC1の充電が完了するとTr1がONしリレー接点がONすることにより,再びワイパーモーターがLO回転します。この繰り返しが間欠作動です。なお,車速感応時間調整間欠機能は,スピードセンサーからの車速信号によりコンデンサーC3の充電時間が変化し,Tr3をONする時間を変化させるとともに,ボリューム(可変抵抗)の調整により,コンデンサーC1の充電時間が変化しますので,車速による間欠時間の変化およびボリュームによる間欠時間の調整ができます。
    2. ウォッシャー連動作動
      1. ウォッシャースイッチをONすると,電流が+B電源→ウォッシャーモーター→ウォッシャースイッチWF端子→ウォッシャースイッチEW端子→アースへと流れるため,ウォッシャー液が噴出します。また,同時に電流はTr2に流れるため,Tr2がONするとともにTr1もONし,リレーコイルに電流が流れリレー接点がONします。これにより,電流はワイパーコントロールスイッチ+S端子→ワイパーコントロールスイッチ+1端子→ワイパーモーター+1端子→ワイパーモーター→アースへと流れワイパーモーターがLO回転します。このとき,コンデンサーC2も充電されているため,ウォッシャースイッチ OFF後もコンデンサーC2が放電しTr1をONし続けるため,ワイパーモーターはLO回転を続けます。なお,コンデンサーC2が放電を完了するとワイパーモーターは停止します。

フロントワイパーリンク(寒冷地仕様車およびスノーバージョンのみ)

  1. 構造
    1. フルコンシールド/セミコンシールド切り替え機能
      1. フルコンシールド/セミコンシールドの切り替えは,ワイパー自動停止状態で左右いずれかのワイパーアームをウインドシールドガラスに沿って回転方向に手で動かして行います。フルコンシールド状態からワイパーアームとワイパーブレードとの締結部付近のワイパーアームを手でつかみ,引き上げるとセミコンシールドに切り替わり,セミコンシールド状態から締結部を手のひらで下に押し込むとフルコンシールドに切り替わります。(ワイパーブレードをつかんで操作するとワイパーブレードが変形するおそれがあるため,必ずワイパーアームをつかんで操作して下さい)なお,ウインターブレード装着時には,必ずセミコンシールド状態にして下さい。
    2. ロックバック式ワイパーアーム
      1. フロントワイパーをロックバックさせる場合,前記の要領にしたがって,セミコンシールド状態に切り替えた後,図のように矢印の方向へロックバックさせます。

フロントワイパーアーム

  1. 構造
    1. 運転席側ワイパーアームのヘッド部を,ウインドシールドガラスに対してねじり角度をつけたものとすることにより,走行時の気流によってアームに加わる力を分散させています。これにより,分散した力の一部がウインドシールドガラス方向に働くことで,ブレードが浮き上がりにくいものとしました。

ワイパーブレード

  1. 構造
    1. レバーとバッキングプレートとの間にブレードラバーが入る構造として,金属どうしの接触をなくし,さらにブレードラバー表面にグラファイトコーティングを施すことにより,ブレード反転時の衝撃音の低減をはかるとともに,ブレードラバーの長寿命化をはかりました。

リヤワイパー機能(リヤワイパー装着車のみ)

  1. 機能
    1. 間欠機能
      1. リヤワイパーコントロールスイッチをINT位置に操作することにより,約12秒に1回の間欠作動を行います。
    2. ウォッシャー連動機能
      1. リヤウォッシャースイッチを約0.5秒以上ONすると,ウォッシャー液が噴出するとほぼ同時にリヤワイパーがLO作動を行い,約1秒以上ONした場合には,リヤウォッシャースイッチ OFF後,約2.5秒間のLO作動を継続し,その後停止します。

  2. 作動
    1. 間欠作動
      1. リヤワイパーコントロールスイッチをINT位置に操作すると,間欠タイマーがTr1をONさせるためリレーがONし,電流はリヤワイパーリレー+B端子→リレーコイル→Tr1→リヤワイパーリレーC1端子→リヤワイパーコントロールスイッチC1端子→アースへと流れ,リレー接点がONします。これにより,電流がリヤワイパーリレー+B端子から,リレー接点→リヤワイパーリレーLM端子→リヤワイパーモーター→アースへと流れ,リヤワイパーモーターが作動します。リヤワイパーモーター作動開始直後には,間欠タイマーがTr1をOFFさせるため,リレー接点もOFFします。なお,リレー接点 OFF時にも,リヤワイパーモーターが自動停止位置で停止するまでは,電流はリヤワイパーモーター+B端子→リヤワイパーモーター内接点→リヤワイパーモーターS端子→リヤワイパーリレーSM端子→リレー接点リヤワイパーリレーLM端子→リヤワイパーモーター+1端子→アースへと流れるため,リヤワイパーモーターが作動し,自動停止位置まで作動するとリヤワイパーモーター内接点が切り替わるためリヤワイパーモーターが停止します。なお,間欠タイマーは,Tr1をOFFしてから約12秒経過後に再びTr1をONさせます。この繰り返しによりリヤワイパーは間欠作動します。
    2. ウォッシャー連動作動
      1. リヤウォッシャースイッチをONすると,電流が+B電源→ウォッシャーモーター→リヤワイパーコントロールスイッチW端子→リヤワイパーコントロールスイッチE端子→アースへと流れるため,ウォッシャー液が噴出します。また,同時に電流はリヤワイパーリレー+B端子から,リレーコイル→リヤワイパーリレーLS端子→リヤワイパーコントロールスイッチLS端子→リヤワイパーコントロールスイッチE端子→アースに流れるため,リレーコイルに電流が流れリレー接点がONします。これにより,電流はリヤワイパーリレー+B端子→リヤワイパーリレーLM端子→リヤワイパーモーター+1端子→リヤワイパーモーター→アースへと流れリヤワイパーモーターがLO回転します。リヤウォッシャースイッチをOFFした後も,ウォッシャータイマーによってTr2を約2.5秒間ONし続けるため,リヤワイパーモーターはLO回転を続けます。

2アウトレットポンプ(リヤワイパー装着車のみ)

  1. 構造
    1. 2アウトレットポンプは,電流の流れる方向によって,モーターの回転を正・逆転させることにより,ウォッシャー液の流路をフロント・リヤに切り替えます。フロントウォッシャースイッチ ON時,+B電源からの電流は,接点D→ウォッシャーモーター→接点A→アースへと流れ,モーターは正転状態で作動し,フロント側にウォッシャー液を送ります。リヤウォッシャースイッチ ON時,+B電源からの電流は,コイル→アースへと流れるため,接点B・接点CがともにONし,次に+B電源→接点B→ウォッシャーモーター→接点C→アースへと流れ,モーターは逆転状態で作動し,リヤ側へウォッシャー液を送ります。