構造と作動

イモビライザーシステム

イモビライザーシステム機能

  1. 機能
    1. イグニッションキーシリンダーからキーを抜くことにより,セキュリティーインジケーターランプが約0.2秒 ON/約1.8秒 OFFの約2.0秒周期で点滅し,イモビライザーシステムがセットされていることを表示します。
    2. イグニッションキーシリンダーへキーが差し込まれるか,イグニッションスイッチがACC・LOCK→ONされると,キーが発信するIDコードと,あらかじめ登録されたIDコードとの照合を実施します。なお,キーは最大マスターキー7本,サブキー3本まで登録することができます。
    3. 照合の結果,キーのIDコードと登録されたIDコードが一致した場合のみイモビライザーシステムが解除され,セキュリティーインジケーターランプが消灯するとともに,エンジンの始動が許可されます。このため,キーの発信するIDコードが読みとれない,またはIDコードが一致しない場合には,エンジンの始動を禁止します。

イモビライザーシステム構成

  1. 構成部品
  2. イモビライザーシステム主要構成部品機能一覧
    構成部品
    主要機能
    トランスミッターASSY・サブキー(トランスポンダー内蔵)
    • トランスポンダーキーコイルが発生させる磁界に反応してキー側のIDコードを発信。
    キーアンロックウォーニングスイッチ
    • イグニッションキーシリンダーにキープレート有無(あり:ON,なし:OFF)状態をを検知し,エンジンコントロールコンピューターへ出力。
    トランスポンダーキーコイル(アンテナコイル)
    • イグニッションキーシリンダー周辺に磁界を発生させ,キー側のIDコードを受信。
    トランスポンダーキーアンプリファイヤー
    • トランスポンダーキーコイルが受信したキー側のIDコードを増幅し,エンジンコントロールコンピューターへ出力。
    エンジンコントロールコンピューター
    • トランスポンダーキーアンプリファイヤーからのキー側のIDコードを受信し,登録されたIDコードと照合し,エンジン始動の可否を判定。
    • セキュリティーインジケーターランプの点滅/消灯制御を実施。
    コンビネーションメーター(セキュリティーインジケーターランプ内蔵)
    • エンジンコントロールコンピューターの制御により,内蔵のセキュリティーインジケーターランプを点滅または点灯。

イモビライザーシステム制御

  1. 制御概要
    1. イグニッションキーシリンダー周囲に取り付けられたアンテナコイル(トランスポンダーキーコイル)により,イグニッションキーシリンダーに差し込まれたキーのIDコードを読みとり,エンジンコントロールコンピューターがキーのIDコードと登録されたIDコードの照合を行います。
    2. エンジンコントロールコンピューターが,キーのIDコードと登録されたIDコードが一致したことを確認すると,イモビライザーシステムを解除し,エンジン始動(エンジン点火・燃料噴射)スタンバイ状態となります。

  2. 制御概要
    1. エンジンコントロールコンピューターがキーアンロックウォーニングスイッチ ONを検知すると,EFIメインリレーをONしてトランスポンダーキーコイル(アンテナコイル)へ電流を流すことにより,キーシリンダー周囲に磁界を発生させます。この磁界により,キーグリップに内蔵されたトランスポンダー(通信チップ)に登録されているキー側IDコード信号が発信され,これをトランスポンダーキーアンプリファイヤーで受信・増幅し,エンジンコントロールコンピューターへ送信します。
    2. エンジンコントロールコンピューターが,登録されているIDコードと受信したキー側IDコードを照合し,これらが一致していることを確認すると,イモビライザーシステムを解除し,エンジン始動スタンバイ状態となります。
    3. エンジンコントロールコンピューターがイモビライザーシステムを解除すると,セキュリティーインジケーターランプの点滅制御を終了し,セキュリティーインジケーターランプを消灯します。

イモビライザーシステム使用上の注意

  1. 使用上の注意
    1. トランスポンダー内蔵キーの取り扱いについて
      1. キーが壊れるおそれがあるため,トランスポンダー内蔵キーの取り扱いについては,下記の注意事項を守ってください。
      2. トランスポンダー内蔵キーの取り扱い注意事項
        • キーグリップ部を無理に曲げたりしないでください。
        • キーに強い衝撃を与えないでください。
        • キーを超音波洗浄機などで洗浄しないでください。
        • 磁気を帯びたキーホルダーと一緒に使用しないでください。
    2. キーをイグニッションキーシリンダーへ差し込むとき
      1. 正規に登録されたキーを用いていても,エンジンを始動できないおそれがあるため,キーをイグニッションキーシリンダーへ差し込むときは,下記の注意事項を守ってください。
      2. キーをイグニッションキーシリンダーへ差し込むときの注意事項
        • キーグリップにキーリングを乗せたり押さえつけたりしながら,キーをキーシリンダーへ挿入したり,始動操作を行わないでください。
        • 他のキープレートをキーグリップへ押さえつけながら,キーをキーシリンダーへ挿入したり,始動操作を行わないでください。
        • 他のトランスポンダー内蔵キー(他車のキーを含む)と重ねて,キーをキーシリンダーへ挿入したり,始動操作を行わないでください。
        • キーグリップを鉄やステンレスなどの電磁シールド材で覆ったり押さえつけたりしながら,キーをキーシリンダーへ挿入したり,始動操作を行わないでください。
        • 他のトランスポンダー内蔵キー(他車のキーを含む)を小さなリングなどで一緒に束ねた状態で,キーをキーシリンダーへ挿入したり,始動操作を行わないでください。
      3. 上記の場合,キーリング・他のキー・電磁シールド材などを離す,または他のトランスポンダー内蔵キーを手で握るかリングからはずして離した後,再度キーをイグニッションキーシリンダーへ差し直して始動操作を行ってください。