構造と作動

フューエル全般

構造と作動

  1. フューエルリターンレスシステム
    1. 一般的な全量循環システムは,エンジンで消費されなかった燃料がフューエルタンクへリターンされます。
    2. リターン燃料は高温のエンジンルーム内を通過しているために昇温しており,タンク内の温度上昇の要因となります。
    3. フューエルリターンレスシステムでは,フューエルタンク内に設けられたプレッシャーレギュレーターにより燃料圧力は一定に保たれ,エンジンで消費される必要分の燃料のみを供給し,不要な燃料はタンク内でリターンさせます。
    4. この作動により高温の燃料がタンクに入らなくなるため,タンク内の燃料温度上昇によるエバポレーションガス(燃料蒸気)の発生を低減します。また,構成部品が簡素化されるため,機構全体の軽量化がはかれます。

フューエルタンク

構造と作動

  1. ジェットポンプ
    1. 鞍型タンクでは燃料が少なくなるとA・Bの2室に分かれ,B室の燃料が残留します。
    2. リターン燃料がジェットポンプのベンチュリーを通過する際に発生する負圧を利用し,残留燃料をA室に移送します。

  2. センダーゲージ
    1. 鞍型タンクの残容量を正確に運転者に伝えるため,センダーゲージをA・Bの2室に直列に設定しました。両室の残容量をメーターECUに出力します。
    2. エンジンECUはEFI制御情報をメーターECUにボデー多重通信で伝達します。
    3. メーターECUは2つのセンダーゲージからの信号とエンジンECUからの情報を基に燃料の残容量を計算し,フューエルメーターを作動させます。

フューエルポンプ・フューエルフィルター

構造と作動

  1. プレッシャーレギュレーター
    1. 一般的な全量循環システムでは,プレッシャーレギュレーターにはインテークマニホールド負圧が常時作動しており,吸入空気量に見合った燃料圧力に制御されていました。
    2. フューエルリターンレスシステムではフューエルタンク内に設けられ,燃料圧力を常に一定に制御します。また,吸気管圧力の変動に対する補正はECU(エンジンコントロールコンピューター)によって精密に行われます。
    3. 燃料圧力は324{3.3}[kPa{kgf/cm2}]です。

  2. フューエルポンプ制御
    1. スターター信号ON時およびエンジン回転信号が2秒以上継続して入力されたとき,サーキットオープニングリレーをONし,フューエルポンプを駆動します。
    2. 衝突時(エアバッグ展開時),エアバッグECUからの信号によりサーキットオープニングリレーをOFFし,燃料漏れを防止します。

フューエルデリバリーパイプ,フューエルインジェクター

キャニスターパージ制御