- エキゾーストマニホールドからテールパイプまでを全てステンレス製とし,軽量化と耐蝕性の向上をはかりました。
- エキゾーストマニホールド一体型の三元触媒は,エンジン直近に配置するとともに,エンジン始動直後のHC酸化に有効なパラジウムを配合することにより,エンジン始動直後の低エミッション化に大きく貢献しています。
- フロントパイプにNOx吸蔵還元型三元触媒を設け,低エミッション化をはかりました。
- 三元触媒のセラミック担体に超薄型タイプを採用するとともに,NOx吸蔵還元型触媒のセラミック担体にセル形状が6角の薄型タイプを採用しました。これにより,NOx吸蔵性能の向上と背圧の低減をはかりました。
- メインマフラーに2WAYエキゾーストコントロールシステムを採用しました。また,センターパイプおよびテールパイプを一体構造としました。
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- 三元触媒一体型のステンレス製(2重管パイプ)エキゾーストマニホールドを採用しました。ステンレス製の2重管とすることにより耐熱性が向上し,特に高負荷時の空燃比リーン化を達成するとともに,エンジン始動直後の三元触媒の早期暖機性を向上し,低エミッション化をはかりました。
- エキゾーストマニホールドガスケットはメタルタイプを採用しました。
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- フロントパイプのNOx吸蔵還元型触媒は,成層燃焼制御時の排気ガス中酸素濃度が大きく還元できないNOxを一旦吸蔵し,必要に応じて空燃比を濃くした際に還元して浄化します。これにより,低エミッション化をはかりました。丸形のNOx吸蔵還元型触媒を横に2個並べて配置することにより,十分な容量を確保するとともに低背圧化をはかりました。また,床下に効率よく配置することにより最低地上高を確保しました。
- メインマフラーに2WAYエキゾーストシステムを採用し,背圧の低減と低騒音化の両立をはかりました。
触媒仕様
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三元触媒
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NOx吸蔵還元型触媒
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容 量 [L]
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0.67×2
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1.12×2
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成 分
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ロジウム・パラジウム
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白金・ロジウム
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マフラー仕様
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メインマフラー
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サブマフラー
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容 量 [L]
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17.7
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7.3
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- 2WAYエキゾーストシステム(メインマフラー)
- 静粛性を確保しつつ排気効率およびエンジン出力を向上するため,メインマフラー内部に2WAYエキゾーストシステムを採用しました。排気通路に可変バルブを設けることにより,運転状態に応じて排気通路を切替えて効率的な排気を行います。
- 低回転時は,メインマフラー内の圧力が低いため可変バルブは閉じています。排気ガスはメイン通路を通らずに小径パイプを通り,拡張比を大きくして消音機能重視のマフラーとして機能します。
- エンジン回転が高まるにつれメインマフラー内の排気ガス圧力が高くなると,可変バルブが排気ガスの圧力によって開きます。排気ガスはメイン通路も通るようになり,低背圧タイプのマフラーとして機能します。
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- 従来の理論空燃比運転と三元触媒を組み合わせたシステムでは,CO(一酸化炭素),HC(炭化水素),NOx(窒素酸化物)の3成分は同時に浄化できますが,成層燃焼時の希薄空燃比運転を行うD-4の場合,エンジン本体のNOx排出量は減少しますが,排出ガス中の酸素濃度が濃くなるため,触媒によるNOx浄化は困難でした。このため,従来の三元触媒機能はそのままに,希薄燃焼領域で発生するNOxを一時吸蔵し,理論空燃比近傍で運転する際に還元して浄化するメカニズムの触媒を採用しました。
- 吸蔵されたNOxは,必要に応じて空燃比を濃くした際,三元触媒と同様にCO,HCと反応することにより,N2に還元されます。
- セラミック担体を薄壁化するとともに6角セルとすることで,単位面積あたりの触媒有効面積を大きくし,NOx吸蔵性能の向上をはかりました。
- これらを実現するために,以下の技術を採用しました。
- NOx吸蔵
- アルカリ類,アルカリ土類,希土類金属などを組み合わせた物質により,希薄燃焼領域でNOxを吸蔵します。
- 耐熱性の確保
- 広い表面積を実現する多孔質コート材を採用し,耐熱性を確保しました。
- 空燃比制御方式
- 触媒のNOx吸蔵と還元をコントロールします。希薄燃焼領域では,R(NOx吸蔵物質)が排出ガス中のNOxを吸蔵します。吸蔵されたNOxは,必要に応じて空燃比を濃くした際(リッチ時)に排出ガス中の還元剤(CO,HCなど)と反応してN2に還元されます。
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- 6角セル担体
- 一般的な4角セルと比較して,コート層の厚さの均一化と触媒有効面積の向上がはかれます。
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