構造と作動

インテーク全般

エアクリーナー

インタークーラー

1弁式電子制御スロットル(ETCS-i)

作 動

  1. ETCS−i制御
    1. 1弁式電子スロットルを採用し,車両の優れた操縦安定性を確保しました。エンジンコントロールコンピューターによる集中制御でアクセル開度に対するエンジン出力を最適に操作することにより,全運転域にわたって良好なアクセルコントロール性および車両安定性を実現しました。
    2. 通常のスロットル開度制御(非線形制御),アイドルスピード制御(ISC),トラクションコントロール制御(VSC含む)およびクルーズコントロール制御の機能を1弁式電子制御スロットルボデーにまとめました。
    3. パワートレーン系との統合制御により,操安性・快適性の向上をはかるとともに,ECT・VSCシステムとの協調制御により,車両の安定性を確保しました。
    4. ETCS-iとEFI制御CPUの2つのCPUによる相互監視を行い,高い信頼性を確保しました。
    5. 万が一のトラブルの時に,スロットルリンゲージによる退避走行ができるようにシステムを2重化し,安全性を確保をしました。
      1. 非線形制御
        1. ノーマルモード
          1. 運転のしやすさと優れた走行性能のバランスのとれた非線形制御を行います。
        2. スノーモード
          1. 雪道などの滑りやすい路面でも良好なスロットルコントロールを実現する非線形制御を行います。スノーモードスイッチON時もしくはスキッドコントロールコンピューターの自動判定により切り替わります。
      2. ECT + EFI + ETCS-i統合制御(変速ショック低減制御)
        1. ECT変速時にスロットルバルブ開度を制御し,シフトアップ・ダウン時の変速ショックを低減および変速時間の短縮をはかります。
      3. 最高速制御
        1. 車速が180km/hに達すると,スロットルバルブを閉じ車速の増加を抑えます。
      4. TRC(VSC) + ETCS-i協調制御(VSC装着車のみ)
        1. TRCおよびVSC作動時にスキッドコントロールコンピューターとの通信により,車両の安定化をはかります。
      5. アイドル回転数制御
        1. 始動時制御特性
          1. エンジン始動時,スロットルバルブを開けることにより空気量を多くし,エンジンの始動性向上をはかります。
        2. 予測制御特性
          1. 下記信号を検出したとき,スロットルバルブ開度を制御することにより,回転変動を抑えます。
          2. アイドリング回転数の変化が予測されるとき。
          3. 電気負荷が変化したとき。
          4. エアコンスイッチを切り替えたとき。
          5. シフトレンジを切り替えたとき。(N→D,D→N)
        3. 減速時制御
          1. 減速時スロットルバルブを開いて空気流量を増やすことにより,インテークマニホールド内負圧を下げ,燃焼室に吸引されるオイルの消費量低減と,急激なエンジン回転数の落ち込みによるエンスト防止およびドライバリビティの向上をはかります。
        4. フィードバック制御
          1. ある一定時間エンジン回転数を計測して,目標回転数との差がある場合にスロットルバルブ開度を制御することにより,アイドル回転数を目標値制御します。
          2. 目標アイドル回転数(Nレンジ,A/COFF)
            目標回転数 [r/min]
            650
      6. エアコン制御
        1. エアコンコンプレッサーON時直前にISC制御を行い,コンプレッサーの作動感を感じさせない制御を行います。また,以下の条件時はエアコンコンプレッサーをカットし,運転性の向上をはかります。
        2. 条 件
          エンジン回転数が規定値以下で,エンジンコントロールコンピューターが加速状態と判断した場合
          シフトポジションを"N"→"D"レンジに切り替えたとき(ECTコントロールコンピューターが要求したとき)
          エンジン回転数が規定値以下のとき

サージタンク,インテークマニホールド

ターボチャージャー

構造と作動

  1. ターボチャージャーシステム
    1. 過給の制御にはウエストゲートバルブで行う最大過給圧力の制御と,エアバイパスバルブで行う瞬間的な高過給圧の制御があります。
      1. ウエストゲートバルブ
        1. 過給圧が設定値を超えたときウエストゲートバルブのアクチュエーターが作動し,排気ガス圧力をバイパスし,ターボチャージャーの回転速度を落とすことにより,過給圧の上昇を抑えます。最大過給圧はウエストゲートバルブのスプリング力により決定します。
      2. エアバイパスバルブ
        1. 加速時などに急激にスロットルバルブが閉じられると,ターボチャージャーにより過給された圧縮空気は行き場を失い,瞬間的に高圧力になりシステム全体に負荷がかかるとともに,圧縮空気がエアクリーナー方向へ逃げようとするため,大きなターボサージ音が発生します。このときの吸気管圧力をタイミング良く抜くことにより,ターボサージ音の低減をはかりました。