SRSエアバッグシステム(ヴェロッサ) 注意事項
取り扱い・作業上の注意
エアバッグ・プリテンショナーシステムは正しい手順・方法で作業を実施しないと、作業中に作動し生命にかかわるような重大な事故につながるおそれがある。また、間違った修理を行うと、必要なときに作動しない可能性がある。サービス時(部品の脱着、点検、交換など)に次の事項をよく読み本書に記載された正しい手順・方法で作業を行う。
電源切り離し
作業はダイアグノーシスコードの確認を行った後、IGスイッチをOFF(LOCK)にして、バッテリーのマイナスターミナルを切り離した後、90秒経過してから開始する。
エアバッグ・プリテンショナーシステムはバックアップ電源を備えているため、バッテリーのマイナスターミナルを切り離してから90秒経過しないうちに作業を開始するとエアバッグおよびプリテンショナーが作動する可能性がある。
バッテリーのマイナスターミナルをはずすと、メモリーが消去されるシステムがあるため作業前に各システムのメモリー内容を記録し、作業後再セットする。
IGスイッチをOFF(LOCK)にして、バッテリーのマイナスターミナルを接続する。
全般的な注意事項
電気的な点検にはトヨタエレクトリカルテスターを使用する。
システム周辺の注意事項を記載したラベルの指示に従う。
絶対に分解しない。
落下させたり、ひび割れ、へこみ、欠けがある場合は、トヨタ純正部品の新品と交換する。
他の車両のエアバッグおよびプリテンショナー部品は絶対に使用せず部品交換時は必ず新品を取り付ける。
高熱や火気に直接さらさない。
エアバッグ部品の抵抗測定は絶対に行わない。
■ 警 告 ■
テスターの電流によってエアバッグおよびプリテンショナー作動する可能性があり大変危険である。
衝突時にエアバッグおよびプリテンショナーが未作動でもダイアグノーシスによる点検を実施する。
グリース、洗浄剤、オイル、水などを付着させない。付着した場合は乾いた布などで速やかに拭き取る。
高温[雰囲気温度93°C以上(プリテンショナーは80°C以上)]、多湿を避けた、電気ノイズの影響を受けにくい場所で保管、取り扱いを行う。
廃車時や単品の廃棄時は、必ずSSTを使用して作動させる。(要領は60-10
参照)(要領は60-19
参照)(要領は60-26
参照)(要領は60-30
参照)(要領は61-5
参照)
エアバッグおよびプリテンショナー廃却時の注意事項(作動前)
絶対に未作動の状態で廃棄しない。
エアバッグおよびプリテンショナーの作動は屋外の安全を確保できる平坦な場所で行う。また、住宅地などではなるべく作動はさける。
エアバッグおよびプリテンショナーの作動音がかなり大きいため、事前に周囲の人に作動することを周知徹底する。
エアバッグおよびプリテンショナーを作動させる場合は、SSTを使用してエアバッグ・プリテンショナーから5m以上離れる。
静電気でエアバッグおよびプリテンショナーが作動することがあるため、水道管や鉄骨などに素手で触れ放電させる。
エアバッグおよびプリテンショナー廃却時の注意事項(作動後)
作動したエアバッグおよびプリテンショナーは、部位によっては温度が数百°C以上になっているため作動後30分以上放置しておく。
エアバッグおよびプリテンショナーに水などをかけない。
エアバッグおよびプリテンショナー取り扱い時は、防塵用保護めがねおよび手袋を着用する。
作動したエアバッグおよびプリテンショナーは、丈夫で透明なビニール袋に入れ、密封し破棄する。
作業終了時は、必ず手を水洗いする。
ホーンボタンASSY(運転席側エアバッグ) & インストルメントパネルパッセンジャーエアバッグASSY(助手席側エアバッグ) & フロントシートアウタベルトASSY(プリテンショナー) & フロントシートエアバッグASSY & カーテンシールドエアバッグASSYの注意事項
作業時など一時的にでも取りはずす場合は、必ず展開面を上にして保管する。
■ 警 告 ■
万一、何らかの原因でエアバッグが作動したとき、展開面が下を向いていると生命にかかわるような重大な事故につながるおそれがある。
保管時、エアバッグの上に物を置いたり、エアバッグの重ね置きをしない。
スパイラルケーブル(コンビネーションスイッチ内蔵)の注意事項
スパイラルケーブル取り付け時およびステアリングホイール脱着時は必ずスパイラルケーブルのセンタリングを行う。
■ 注 意 ■
センタリングを行わずにステアリングホイールを操作した場合、スパイラルケーブルが断線するおそれがある。
エアバッグセンサASSY CTR & フロントエアバッグセンサ & サイドエアバッグセンサASSY & エアバッグセンサ リヤの注意事項
衝突によりエアバッグおよびプリテンショナーが作動した場合(エアバッグまたはプリテンショナーのみが作動した場合も含む)、必ずセンサASSY(センター、フロント、サイドおよびリヤをセットで)を交換する。
ワイヤハーネス・コネクターの注意事項
エンジンルーム内の不出部分を除き、ワイヤハーネスおよびコネクターは黄色で統一されており、特殊なコネクターが採用してあるので十分注意して取り扱う。
衝突などで損傷を受けた車両の処置
電気式の溶接機を使用する場合は、エアバッグおよびプリテンショナーを取りはずしてから作業を行う。
エアバッグセンサASSY CTR、フロントエアバッグセンサ、サイドエアバッグセンサASSYおよびエアバッグセンサ リヤに衝撃が加わる可能性がある場合は、事前に取りはずしておく。
エアバッグセンサASSY CTR、フロントエアバッグセンサ、サイドエアバッグセンサASSYおよびエアバッグセンサ リヤを高温にさらさない。
エアバッグおよびプリテンショナーの点検が必要なケース
エアバッグおよびプリテンショナーが未作動のものも含め、衝突などで車両が損傷した場合。
ダイアグノーシスコードが出力された場合。
エアバッグセンサ取り付けボルトに関する注意事項
エアバッグセンサ(一部)取り付けボルトの強度区分の違いにより締め付けトルクが異なるため、図を参考にボルトの種類を判断し、修理書に記載されている締め付けトルクで締め付ける。