ワイヤレス機能のみ作動しない

準備品一覧

回路解説

マルチファンクションコントロールシステムは、大規模ボデー多重通信を使用している機能がある。まず始めに「トラブルシューティングの進め方」に従い「通信機能点検」を行ない、通信系統に異常のないことを確認してからトラブルシューティングを進める。また、ドライバサイドジヤンクシヨンブロック (ボデーECU)−ドアコントロールレシーバ間のワイヤハーネスがショートしている場合ダイアグノーシスコードB1242が出力されワイヤレス機能は作動しない。

  1. 点検手順
  2. ■ 注 意 ■
    S2000によるカスタマイズ機能を選択されていない初期状態を示す。

    □ 参 考 □
    本文中に記載のLOCK/UNLOCKスイッチおよびTRUNKスイッチとは、ドアコントロールトランスミッタに内蔵された送信用のスイッチを示す。

    1. 車両初期状態(ワイヤレス操作の可能な条件を満たした状態)
      1. イグニッションキーシリンダーにキーが差し込まれていない。
      2. すべてのドアが閉まっている。(ドアウォーニングが消灯)
      3. すべてのドアがLOCK状態。
      4. □ 参 考 □
        本文中に記載のあるスイッチとは、トランスミツタに内蔵された送信用のLOCK・UNLOCKスイッチを示す。

    手順1
    トランスミツタバツテリ簡易点検
    1. スイッチを3回押したとき、トランスミツタのLEDが3回点灯するか点検する。

    2. □ 参 考 □
      3回以上押して、LEDが点灯しない場合は、電池切れが考えられる。

    3. 電池切れが考えられる場合、トランスミツタバツテリを新品または正常品に交換し、標準操作でUNLOCK⇔LOCK作動するか点検する。

    4. ■ 注 意 ■
      標準操作とは、運転席アウトサイドハンドルから右方向に1m離れた位置で、トランスミツタ車両に向け送信スイッチを1秒間押す。

        NG
        トランスミツタバツテリ交換
        OK
        次の手順へ

    手順2
    ルームランプ点灯確認
    1. ルームランプが点灯することを確認する。

    2. □ 参 考 □
      点灯しない場合、ルームランプ修理後自己診断モードへ。

        次の手順へ

    手順3
    自己診断モード入力
    1. 車両初期状態からキーをイグニツシヨンスイツチロツクシリンダに差し込んだのち、抜き取り5秒以内にイグニツシヨンスイツチASSYをOFF→ON→OFFを1回行う。

    2. イグニツシヨンスイツチASSY OFF後、30秒以内に再度イグニツシヨンスイツチをASSYをOFF→ON→OFFを9回行う。

    3. ■ 注 意 ■
      上記の条件がひとつでもはずれた場合は、通常モードとなる。

      □ 参 考 □
      • S2000を使用しても自己診断モードに移行できる。
      • 自己診断モードを終了する場合は、イグニツシヨンスイツチASSYをOFF→ONする。
      • 自己診断モード中は、LOCK⇔UNLOCKは実施しない。

    4. 自己診断モードに移行したことを、ルームランプの点滅により確認する。

        NG
        OK
        次の手順へ

    手順4
    自己診断モードによる確認
    1. ドアコントロールトランスミツタのスイッチを押し続けたときのダイアグ出力を点検する。

    2. □ 参 考 □
      ダイアグ出力の確認はルームランプの出力で確認する。

      □ 参 考 □
      • 正常電波を受信したの場合は「OK」へ
      • ダイアグコードの出力がない場合は「NG−A」へ
      • 識別コードの不一致の場合は「NG−B」へ

        NG-B
        OK
        NG-A
        次の手順へ

    手順5
    電波到達範囲点検
    1. 自己診断モードに移行する。

    2. □ 参 考 □
      S2000を使用しても自己診断モードに移行できる。

    3. 新品または正常品の同型車のドアコントロールトランスミツタのスイッチを押したとき、ダイアグ出力するか点検する。(運転席ドアから約1m離れる。)

    4. □ 参 考 □
      スイッチを押し続ける間ルームランプ点滅を連続して行う。

        NG
        OK
        ドアコントロ-ルトランスミツタモジユ-ルセツト交換

    手順6
    自己診断モード入力方法確認
        NG
        OK
        次の手順へ

    手順7
    アンロツクウオ-ニングスイツチASSY単体点検(要領は73-20 参照)
        NG
        アンロツクウオ-ニングスイツチASSY交換
        OK
        次の手順へ

    手順8
    ドアコントロ-ルレシ-バ点検

    SST
    09082-00030
    09083-00150
    1. ドアコントロールレシーバのコネクタを切り離し、SST(トヨタエレクトリカルテスター)を使用して、各端子とボデーアース間の導通および電圧を点検する。


    2. 基準
      端子番号
      項目
      測定条件
      基準
      1⇔ボデーアース
      導通
      常時
      導通あり
      5⇔ボデーアース
      電圧
      常時
      10ー14V
        NG
        ドアコントロ-ルレシ-バ交換
        OK
        駆動電源系ヒューズまたはワイヤハーネスとコネクタ修理または交換

    手順9
    識別コード登録
        NG
        ドライバサイドジヤンクシヨンブロツク交換
        OK
        終了(識別コード再登録で正常)

    手順10
    ワイヤハーネス点検(ボデーECU−ドアコントロールレシーバ)

    SST
    09082-00030
    09083-00150
    1. ドライバサイドジヤンクシヨンブロック(ボデーECU)のコネクタFを切り離す。

    2. ドアコントロールレシーバのコネクタを切り離す。

    3. SST(トヨタエレクトリカルテスター)を使用して、ドライバサイドジヤンクシヨンブロック(ボデーECU)車両側コネクター端子−ドアコントロールレシーバ車両側コネクター端子間の導通を点検する。(端子配列は05-1428 参照)


    4. 基準
      測定端子ボデーECU⇔レシーバ
      基準
      F13(RSSI)⇔3(SQ)
      導通あり
        NG
        ワイヤハーネスまたはコネクタ修理または交換
        OK
        次の手順へ

    手順11
    電波到達範囲点検点検
    1. 自己診断モードに移行する。

    2. □ 参 考 □
      S2000を使用しても自己診断モードに移行できる。

    3. 新品または正常品の同型車のドアコントロールトランスミツタのスイッチを押したとき、ダイアグ出力するか点検する。(運転席ドアから約1m離れる。)

    4. □ 参 考 □
      スイッチを押し続ける間ルームランプ点滅を連続して行う。

        OK
        ドアコントロ-ルトランスミツタモジユ-ルセツト交換
        NG
        ドアコントロ-ルレシ-バ交換