構造と作動

電動格納ドアミラーシステム

電動格納ドアミラーシステム構成

  1. 構成部品

電動格納ドアミラーシステム機能

  1. 電動格納/復帰機能
    1. イグニッションスイッチ ACCまたはONで格納スイッチを操作すると,ミラーは格納または復帰作動を行います。
    2. 格納または復帰作動中にイグニッションスイッチをOFFすると,ミラーはイグニッションスイッチをOFFしたときの状態で作動を停止します。なお,イグニッションスイッチを再度ACCまたはONするとミラーは作動を継続し,格納または復帰位置になります。
    3. イグニッションスイッチ OFFで格納スイッチの状態とミラーの位置が異なっている場合(格納スイッチが格納側でミラーが復帰位置など)に,イグニッションスイッチをOFFからACCまたはONすると,ミラーは格納スイッチの状態に応じた格納または復帰作動を行います。
      1. 格納機能
        1. 左右のミラーが復帰位置で格納スイッチを格納側に操作すると,左右のミラーともに格納作動を行います。
        2. 復帰位置から片側のミラーを手動により,前方可倒位置にするとミラーはその状態を保持します。このとき,格納スイッチを格納側に操作すると,左右のミラーともに格納作動を行います。
        3. 復帰位置から片側のミラーを手動により,格納位置にするとミラーはその状態を保持します。このとき,格納スイッチを格納側に操作すると,片側のミラーのみ格納作動を行います。
      2. 復帰機能
        1. 左右のミラーが格納位置で格納スイッチを復帰側に操作すると,左右のミラーともに復帰作動を行います。
        2. 格納位置から片側のミラーを手動により,復帰位置にするとミラーはその状態を保持します。このとき,格納スイッチを復帰側に操作すると,片側のミラーのみ復帰作動を行います。
      3. ミラー作動中にミラーの動きが障害物により阻止された場合
        1. ミラーは障害物に動きを阻止された状態で停止します。このため,障害物を取り除いた後,格納スイッチを操作してミラーを格納位置または復帰位置にします。

  2. ミラーヒーター機能
    1. イグニッションスイッチ ONで,ミラーヒータースイッチ/リヤウインドゥデフォッガースイッチ/ワイパーコントロールスイッチのいずれかを操作すると約15分間ミラーヒーターが作動し,鏡面の曇りを取り除くことができます。なお,ワイパーコントロールスイッチによるミラーヒーター作動は,INT/LO/HIのいずれのスイッチポジションでも行うことができます。

電動格納ドアミラーシステム制御

  1. 電動格納/復帰作動
    1. 格納作動
      1. 左右両ミラーが復帰位置,格納スイッチが復帰側,イグニッションスイッチ ACCまたはONのとき,格納スイッチを格納側に操作すると,格納スイッチの接点A1・A2がB1・B2に切り替わります。このときコンデンサーCは放電を開始するため,電流がACC→B2→MR端子→D6→コイルRC→コンデンサーC→MF端子→B1→アースと流れ,リレー接点RAがONします。これにより,電流がACC→B2→MR端子→格納・復帰モーター→PTCサーミスター→リレー接点RA→MF端子→B1→アースと流れ,格納・復帰モーターが格納側に回転します。
      2. その後,格納作動が終了すると抵抗R3に過電流が流れ,抵抗R3の電圧が上昇するとともに,フォトカプラーPC2内のフォトダイオードD2に基準電圧以上の電圧がかかり発光します。さらに,D2の発光によってフォトトランジスターQ2がONして格納側に流れていた電流を,MR端子→D2→Q2→D4→R1→リレー接点RA→MF端子→B1→アースにバイパスすると,格納・復帰モーターへの電源が遮断され,格納・復帰モーターが停止します。なお,コンデンサーCの放電が終了すると,コイルRCの通電がなくなり,リレー接点RAがOFFするとともにコンデンサーCは充電を開始するため,リレー接点RAは,OFFした状態のままとなります。
    2. 復帰作動
      1. 左右両ミラーが格納位置,格納スイッチが格納側,イグニッションスイッチ ACCまたはONのとき,格納スイッチを復帰側に操作すると,格納スイッチの接点B1・B2がA1・A2に切り替わります。このときコンデンサーCは放電を開始するため,電流がACC→A1→MF端子→コンデンサーC→コイルRC→D5→MR端子→A2→アースと流れ,リレー接点RAがONします。これにより,電流がACC→A1→MF端子→リレー接点RA→PTCサーミスター→格納・復帰モーター→抵抗R3→MR端子→A2→アースと流れ,格納・復帰モーターが復帰側に回転します。
      2. その後,復帰作動が終了すると抵抗R3に過電流が流れ,抵抗R3の電圧が上昇するとともに,フォトカプラーPC1内のフォトダイオードD1に基準電圧以上の電圧がかかり発光します。さらに,D1の発光によってフォトトランジスターQ1がONして格納側に流れていた電流を,MF端子→リレー接点RA→R1→Q1→D3→MR端子→A2→アースにバイパスすると,格納・復帰モーターへの電源が遮断され,格納・復帰モーターが停止します。なお,コンデンサーCの放電が終了すると,コイルRCの通電がなくなり,リレー接点RAがOFFするとともにコンデンサーCは充電を開始するため,リレー接点RAは,OFFした状態のままとなります。
    3. 回路保護作動
      1. 何らかの異常により,フォトカプラーが機能しなくなったときはPTCサーミスターの抵抗値が増大し,電流を制限することで回路を保護します。

  2. ミラーヒーター作動
    1. イグニッションスイッチ ONで,ミラーヒータースイッチ/ウインドゥデフォッガースイッチ/ワイパーコントロールスイッチのいずれかをONすると,ゲートウェイコンピューター(AVC−LANアダプター)を介してエアコンディショナーアンプリファイヤーASSYへ作動要求信号が送信されます。これにより,ミラーヒーターリレーがONされミラーヒーターが発熱します。
    2. タイマー時間のカウントは,エアコンディショナーアンプリファイヤーASSYが制御しており,リレー ON状態を約15分間継続するとリレーをOFFします。