構造と作動

エンジンコントロールシステム全般

アイドル回転数制御(ISC)

作 動

  1. 始動時制御特性
    1. エンジン始動後および始動後数秒間,スロットルバルブの開度を増やし,吸入空気量を多くして始動性の向上をはかります。始動後は冷却水温に応じてスロットルバルブの開度を変えてエンジン回転数を制御します。

  2. 予測制御特性
    1. シフトポジションを“N”→“D”レンジに切り替えた時,電気負荷信号が変化した時およびエアコンスイッチを切り替えた時などエンジンにかかる負荷が変化した場合は,それぞれの条件に応じて電子スロットルもしくはインジェクターに信号を送り,アイドル回転数を目標回転数に近付けます。

  3. 減速時制御
    1. 減速時,スロットルバルブを開いて空気流量を増やすことにより,インテークマニホールド内負圧を下げ,燃焼室に吸引されるオイルの消費量低減と,急激なエンジン回転数の落ち込みによるエンスト防止およびドライバビリティの向上をはかりました。

  4. フィードバック制御
    1. 一定時間エンジン回転数を計測し,アイドル回転数と目標回転数とに差がある場合,電子スロットルもしくはインジェクターに信号を送り,アイドル回転数を目標回転数に近付けます。

  5. エアコン作動時アイドルアップ回転数可変制御
    1. エアコン作動時のアイドルアップ回転数をエアコン負荷によって制御し,必要最小限のアイドルアップ回転数として低燃費化と運転性の向上をはかります。

  6. エアコン制御
    1. エアコンコンプレッサーON時直前にISC制御を行い,コンプレッサーの作動感を感じさせない制御を行います。また,以下の条件時はエアコンコンプレッサーをカットし,運転性の向上をはかります。
    2. 条 件
      エンジン回転数が規定値以下で,エンジンコントロールコンピューターが加速状態と判断した場合
      シフトポジションを“N”→“D”レンジに切り替えたとき(ECTコントロールコンピューターが要求したとき)
      エンジン回転数が規定値以下のとき

フェイルセーフ